Claude Haiku 4.5 で問い合わせの一次仕分けや文書の分類を回している会社にとって、2026年10月7日の Claude Haiku 5.5 公開は「単価が一桁下がる」話であると同時に、「モデル名を書き換えるだけでは動かない」話でもあります。Anthropic は同日に Haiku 4.5 を Legacy(旧世代)に位置づけ、Haiku 5.5 への移行を勧めています。
この記事では、公式ドキュメントで確認できる事実だけを使って、料金の変わり方、仕様の差、コードで直す箇所、Claude Code やクラウド経由での扱いを、情報システム部門や DX 担当がそのまま社内の検討資料に使える形で整理します。
結論 — 先に要点だけ
- Claude Haiku 5.5(
claude-haiku-5-5)は 2026年10月7日公開。入力 $0.10/出力 $0.50(100万トークンあたり、プロンプト 100,000 トークンまで)で、Haiku 4.5 の $1/$5 から単価が下がりました。 - プロンプトが 100,000 トークンを超える要求は別料金(入力 $0.50/出力 $2.50)。現行モデルで Haiku 5.5 だけに適用される段階制です。
- 同じ文章のトークン数は約30%増え、思考トークンも課金されるので、請求額は単価の比率どおりには下がりません。自社のプロンプトで測り直す必要があります。
- モデル名の書き換えだけでは動かない設定がある。
budget_tokens・temperatureなどのサンプリング設定・アシスタント側の先頭文(プリフィル)・旧コンピュータ操作ツールは 400 エラーになります。 - Haiku 4.5 はまだ使えるが Legacy 扱いで、提供終了は「2026年10月15日より前にはならない」という下限だけが示されています。終了する場合は 60 日以上前に通知されます。
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5」モデルページ(取得 2026-10)/Anthropic「Model deprecations」(取得 2026-10)
何が発表されたか — 日付と対象の整理
Anthropic の Claude Platform リリースノートは、2026年10月7日に Claude Haiku 5.5 を公開したと記しています。同じ日に、Sonnet 5.5 のプロンプトキャッシュ読み取り単価の引き下げ($0.20 → $0.10)と、Max・Team プランへの API クレジット付与も発表されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開日 | 2026年10月7日 |
| モデル ID | claude-haiku-5-5(日付サフィックス無し・別名エイリアス無し) |
| 位置づけ | 分類・抽出・ルーティング・サブエージェントなど、大量・低遅延の処理向け |
| 提供経路 | Claude API、Amazon Bedrock、Claude Platform on AWS、Google Cloud、Microsoft Foundry |
| 提供終了の下限 | 2027年10月7日より前にはならない |
| Haiku 4.5 の状態 | Legacy(提供は継続、終了は 2026年10月15日より前にはならない) |
※ 出典: Anthropic「Claude Platform release notes」(取得 2026-10)/Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」(取得 2026-10)/Anthropic「Claude Haiku 4.5」モデルページ(取得 2026-10)
Haiku 4.5 のモデルページは「まだ利用できるが、性能向上のため Haiku 5.5 への移行を検討すべき」という案内に書き換えられました。Sonnet 4.5 の退役記事で触れたとおり、Anthropic は公開済みモデルの提供終了を 60 日以上前に通知する方針です。Haiku 4.5 は 2026年10月時点で非推奨(Deprecated)にはなっていません。ただし Legacy は「更新を受けず、将来非推奨になりうる」状態と定義されているので、告知が出てから慌てないよう、今のうちに棚卸しと移行計画を済ませておくのが安全です。
※ 出典: Anthropic「Model deprecations」(取得 2026-10)
料金 — 単価は下がるが、トークン数は増える
Haiku 5.5 の料金は、Claude の現行モデルで唯一「プロンプトの長さ」で2段階に分かれています。Anthropic の料金ページにある 2026年10月時点の値を、移行元の Haiku 4.5 と、上位の Sonnet 5.5 と並べます(単位は USD、100万トークンあたり)。
| モデル | 入力 | 出力 | キャッシュ書き込み(5分) | キャッシュ読み取り | Batch API 入力/出力 |
|---|---|---|---|---|---|
| Claude Haiku 5.5(プロンプト 100,000 トークンまで) | $0.10 | $0.50 | $0.125 | $0.01 | $0.05/$0.25 |
| Claude Haiku 5.5(プロンプト 100,000 トークン超) | $0.50 | $2.50 | $0.625 | $0.05 | $0.25/$1.25 |
| Claude Haiku 4.5 | $1 | $5 | $1.25 | $0.10 | $0.50/$2.50 |
| Claude Sonnet 5.5 | $2 | $10 | $2.50 | $0.10 | $1/$5 |
※ 出典: Anthropic「Pricing」(取得 2026-10)
段階制の判定は要求ごとです。料金ページによると、プロンプト長にはキャッシュ読み取り・書き込みを含む入力トークン全体が数えられ、閾値を超えた要求は、一部がキャッシュに当たっていても高いほうの単価になります。前の要求が安い単価で課金されていても、次の要求が閾値を超えれば高い単価です。長い社内規程や大量の会話履歴を毎回プロンプトに入れる設計は、100,000 トークンの線を意識して組み直したほうがよいでしょう。
Anthropic は発表ページで、Haiku 4.5 と比べて「平均で約75%安く動く」と説明しています。注記では、100,000 トークンまでの要求は 90% 安く、それを超える要求は 50% 安い一方、新しいトークナイザーのためタスクあたりのトークン数は少し増える、としています。
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5」発表ページ(取得 2026-10)/Anthropic「Pricing」Long context pricing(取得 2026-10)
請求額が単価どおりに下がらない4つの理由
移行ガイドが挙げる、費用の見積もりを取り直すべき要因は次のとおりです。
- 同じ文章で約30%多いトークンになる。Haiku 5.5 は Claude 4.7 以降と同じ新しいトークナイザーを使うため、
usageの値もmax_tokensの意味も変わります。 - 思考トークンが出力として課金される。適応型思考が既定でオンなので、
thinkingを書かなくても思考ブロックが生成され、max_tokensを消費します。 - 複数ターンでは過去の思考ブロックが入力に残る。Haiku 4.5 は最新ターンの思考だけを保持していましたが、Haiku 5.5 は以前のターンの思考ブロックも文脈に残し、入力トークンとして数えます。
- 大きな画像のトークンが増える。高解像度の画像層を使うため、長辺 2,576 ピクセル・4,784 トークンまで縮小せずに受け付け、2,000×1,500 ピクセルの画像は Haiku 4.5 の約2.5倍のトークンになります。
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」(取得 2026-10)
逆に下がる要因もあります。プロンプトキャッシュの最小サイズが 512 トークンに下がり(Haiku 4.5 は 4,096 トークン)、短いシステムプロンプトでもキャッシュが効くようになりました。ツール利用時に自動で付くシステムプロンプトも、Haiku 4.5 の 496 トークンから 286 トークンに減っています。
※ 出典: Anthropic「Prompt caching」(取得 2026-10)/Anthropic「Pricing」Tool use pricing(取得 2026-10)
費用を測り直す手順
- 本番の代表的な要求を数十件抜き出し、
modelをclaude-haiku-5-5にしてトークン数を数え直す。Haiku 4.5 で測った数は使い回さない。 - 1要求あたりの入力トークンが 100,000 を超えるものを洗い出し、履歴の切り詰めやキャッシュの再設計で閾値内に収められるか確認する。
- effort を
low・medium・highの2〜3段階で試し、品質が保てる最も低い段階を決める。 - 月間の要求数 × 新しいトークン数 × 単価で見積もり、Haiku 4.5 の実績請求額と並べる。
- Batch API に回せる非同期処理(夜間の一括分類など)を分け、50% 割引の対象にする。
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」Recount tokens(取得 2026-10)/Anthropic「Pricing」Batch processing(取得 2026-10)
試算のための実行環境は、Max・Team プランに付くようになった API クレジットで賄えます。Max 5x は月 $100、Max 20x は月 $200、Team は席数に応じて最大 $500(プール)で、Claude API・Managed Agents・Agent SDK に使えます。Claude Code の利用や Bedrock などの他プラットフォームには使えず、未使用分の繰り越しもありません。
※ 出典: Anthropic「API credits for Max and Team plans」(取得 2026-10)
仕様の違い — コンテキスト・出力・effort
| 項目 | Claude Haiku 4.5 | Claude Haiku 5.5 |
|---|---|---|
| コンテキスト | 200K トークン | 1M トークン |
| 最大出力 | 64K トークン | 128K トークン(Batch API はベータで 300K) |
| 思考の制御 | budget_tokens による拡張思考 | 適応型思考(既定オン)+ effort |
| effort | 非対応 | low〜max の5段階、既定は medium |
| 知識の基準日 | 2025年2月 | 2026年6月 |
| ブラウザ操作ツール | 非対応 | 対応(Claude API・Google Cloud) |
| Priority Tier | 利用中なら要確認 | 非対応 |
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5」モデルページ(取得 2026-10)/Anthropic「Claude Haiku 4.5」モデルページ(取得 2026-10)/Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」(取得 2026-10)
effort は Haiku 系で初めて使えるようになった設定です。公式の effort ページが示す Haiku 5.5 向けの推奨は次のとおりです。
| effort | 公式の使いどころ | 注意 |
|---|---|---|
low | チャット、短いツール処理、単純で大量の要求 | 長いエージェント用プロンプトでは検索や確認を飛ばしやすい |
medium(既定) | ほとんどの作業。コーディングエージェントもここから | 省略時と同じ挙動 |
high | 知識作業、長いエージェント処理、厳密な指示遵守 | 思考が増え max_tokens を圧迫する |
xhigh・max | 評価で品質向上が確認できた場合だけ | Sonnet 5.5 と費用・速度を比べる。thinking の無効化は 400 エラー |
※ 出典: Anthropic「Effort」Recommended effort levels for Claude Haiku 5.5(取得 2026-10)/Anthropic「Prompting Claude Haiku 5.5」(取得 2026-10)
思考を完全に止めたい場合は thinking: {"type": "disabled"} を送れますが、これは high 以下の effort でだけ有効です。また、プロンプト側で「直接答えて」と書いても思考は止まらなかった、と Anthropic は自社のテストについて記しています。思考を減らしたいなら effort を下げるのが正道です。
コードで直す箇所 — Haiku 4.5 から 5.5 へのチェックリスト
移行ガイドの「Haiku 4.5 から始める場合」の項目を、エラーになるものと挙動が変わるものに分けて整理します。
| 直す箇所 | Haiku 4.5 | Haiku 5.5 | 放置すると |
|---|---|---|---|
| モデル ID | claude-haiku-4-5-20251001(別名 claude-haiku-4-5) | claude-haiku-5-5 | 旧モデルのまま |
| 思考の予算 | thinking: {type: "enabled", budget_tokens: N} | thinking: {type: "adaptive"} + output_config.effort | 400 エラー |
| サンプリング設定 | temperature・top_p・top_k | すべて削除してプロンプトで誘導 | 既定値以外は 400 エラー |
| プリフィル | messages 末尾のアシスタント発話 | ユーザー発話で終える。書式は構造化出力かツールの enum で | 400 エラー |
| コンピュータ操作 | computer_20250124 | Claude API・Google Cloud は computer_toolset_20260801、Bedrock は computer_20251124 | 400 エラー |
| 会話の書き換え | 途中で system や tools を変えて続行 | 追記のみ(append-only)にする | 思考ブロック返送時に 400 エラー |
| 先頭ブロックの読み取り | content[0] を答えとして扱う | type で選ぶ | 思考ブロックを答えと誤認 |
| 拒否の処理 | 無し | stop_reason: "refusal" を処理 | 未処理の例外 |
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」(取得 2026-10)/Anthropic「What's new in Claude Haiku 5.5」(取得 2026-10)
最小の書き換え例(Messages API)
Haiku 4.5 で思考予算を指定していた要求は、次のように変わります。
{
"model": "claude-haiku-4-5",
"max_tokens": 16000,
"thinking": { "type": "enabled", "budget_tokens": 8000 },
"messages": [{ "role": "user", "content": "..." }]
}
{
"model": "claude-haiku-5-5",
"max_tokens": 16000,
"thinking": { "type": "adaptive" },
"output_config": { "effort": "medium" },
"messages": [{ "role": "user", "content": "..." }]
}
thinking を省略しても適応型思考は動きます。Haiku 4.5 で思考無し、または小さな予算で動かしていた処理は、effort を low に下げるのが対応関係として自然です。Haiku 4.5 向けに小さく設定していた max_tokens は、思考ブロックの分だけ余裕を持たせないと、本文が出る前に stop_reason: "max_tokens" で止まります。
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」Configure thinking(取得 2026-10)
プリフィルを使っていた分類処理の置き換え方
問い合わせの分類で「アシスタントの発話を { から始めて JSON を強制する」書き方をしていた場合、Haiku 5.5 では 400 エラーになります。移行ガイドが示す置き換え先は用途別です。
- 出力の書式を固定したい → 構造化出力(
output_config.format)か、enum フィールドを持つツール定義に移す - 前置きを省きたい → システムプロンプトで「直接答える」と指示する
- 途切れた出力の続きを書かせたい → ユーザー発話に「前の応答は〜で途切れた。続きから書く」と入れる
- 文脈の念押し → ユーザー発話に移す
Amazon Bedrock では Haiku 5.5 の構造化出力が使えないため、プロンプトで書式を説明するか strict 無しのツールを使い、受け取った JSON をコード側で検証します。
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」Replace assistant prefill(取得 2026-10)
Claude Code に書き換えを任せる
移行ガイドは、Claude Code で /claude-api migrate this project to claude-haiku-5-5 を実行すると、モデル ID の置換・エラーになる引数の修正・プリフィルの置き換え・effort の調整をコードベース全体に適用し、手動で確認する項目の一覧を出す、と案内しています。対象範囲(ディレクトリ全体か特定ファイルか)は編集前に確認を求められます。Bedrock や Claude Platform on AWS のクライアントも検出し、モデル ID の形式を合わせるとされています。
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」(取得 2026-10)
止まらないが挙動が変わる点 — 気づきにくい4つ
エラーにならないぶん見落としやすい変更です。
- 応答が思考ブロックから始まる。
thinkingを書かなくても先頭にthinkingブロックが付くことがあります。既定では本文が空で署名だけが返り、要約が欲しければthinking.displayを"summarized"にします。 - 思考ブロックは生成したアカウントに紐づく。別のアカウントから同じ会話を再送すると、思考ブロックは黙って捨てられ、推論無しで続きます。複数の利用者の会話を一つの保管庫で持つサービスは、生成したアカウントで再生する必要があります。
- 安全分類器による拒否が加わる。
stop_reason: "refusal"とstop_details.category(cyber・frontier_llm・bio・general_harms)が返ります。Haiku 5.5 にはサーバー側のフォールバックが無く、同じ要求を再送しても通常はまた拒否されるので、クライアント側で処理を書きます。 - ツールを強制すると思考しない。
tool_choiceでanyや特定ツールを指定すると、応答はツール呼び出しから始まり思考ブロックは付きません。ツール呼び出しの前に考えさせたいならautoにして、プロンプトで使いどころを指示します。
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」(取得 2026-10)/Anthropic「Prompting Claude Haiku 5.5」Safeguard refusals(取得 2026-10)
会話を途中で Haiku 4.5 から Haiku 5.5 に切り替える場合、Haiku 5.5 は Haiku 4.5 の思考ブロックを読めるので推論は引き継がれます。逆に Opus 5.5・Sonnet 5.5 の思考ブロックは読めず、エラー無しに捨てられます。
経路別の注意 — Claude Code・Bedrock・Google Cloud
Claude Code の haiku エイリアス
Claude Code で haiku と書いた箇所(サブエージェントの model: haiku など)が指すモデルは経路で違います。公式のモデル設定ページの対応表は次のとおりです。
| 経路 | haiku が指すモデル |
|---|---|
| Anthropic API | Haiku 5.5(Claude Code v2.1.293 以降が必要) |
| Claude Platform on AWS | Haiku 4.5 |
| Amazon Bedrock・Google Cloud | Haiku 4.5 |
| Microsoft Foundry | Haiku 4.5 |
※ 出典: Claude Code「Model configuration」(取得 2026-10)/Claude Code「Changelog」2.1.293(取得 2026-10)
環境変数 ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL は haiku の指し先と背景処理のモデルを決めます。サブエージェントの役割分担記事で「調べる役は小さいモデルに」と書いた設定は、Anthropic API 経由なら Claude Code を更新した時点で Haiku 5.5 に切り替わります。更新のタイミングを管理していない会社は、社員の端末ごとに挙動が変わる期間ができる点に注意してください。
Bedrock と Google Cloud は日程も機能も別
モデル廃止ページの日付は Anthropic が運営する経路(Claude API・Claude Platform on AWS・Microsoft Foundry)に適用され、Amazon Bedrock と Google Cloud は各社が独自の提供終了日を決めます。機能面でも、Bedrock の Haiku 5.5 は構造化出力が使えず、コンピュータ操作は computer_20251124 と computer-use-2025-11-24 ベータヘッダーを使います。Bedrock 経由で Haiku 4.5 を使っている会社は、Bedrock 側のモデル一覧で Haiku 5.5 の提供状況と Haiku 4.5 の期限を別に確認してください。
※ 出典: Anthropic「Model deprecations」(取得 2026-10)/Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」(取得 2026-10)
社内の用途別 — どこから Haiku 5.5 に移すか
Anthropic は発表ページで Haiku 5.5 の用途として要約・圧縮・データベース問い合わせ・分類・サブエージェント・顧客対応・ブラウザ操作を挙げ、複雑なエージェント型コーディングには Sonnet 5.5・Opus 5.5 のほうが向くとしています。社内で動いている典型的な処理に当てはめると、優先順位は次のようになります。
| 用途 | 移行の優先度 | effort の起点(公式ガイドの対応) | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 問い合わせメールの一次仕分け・カテゴリ分類 | 高 | low〜medium | プリフィルで JSON を強制していないか。拒否の処理 |
| 議事録・日報の要約 | 高 | medium | max_tokens に思考分の余裕があるか |
| Claude Code のサブエージェント(調査役) | 高 | low〜medium | Claude Code のバージョンと経路 |
| 社内チャットボット・FAQ 応答 | 中 | medium〜high | システムプロンプト遵守。履歴で閾値を超えないか |
| 長文の契約書・規程を毎回読ませる処理 | 低 | — | 100,000 トークン超の段階料金。Sonnet 5.5 との比較 |
※ 出典: Anthropic「Claude Haiku 5.5」発表ページ(取得 2026-10)/Anthropic「Effort」Recommended effort levels for Claude Haiku 5.5(取得 2026-10)
チャットボットでは、利用者が食い下がってもシステムプロンプトを守らせる定型文を Anthropic が公開しています。問い合わせメールの一次仕分け記事や士業の初期対応記事で扱った処理は、分類結果の書式をツール定義か構造化出力に移したうえで、effort low から試すのが順当です。
※ 出典: Anthropic「Prompting Claude Haiku 5.5」Keep chatbots to their system prompt(取得 2026-10)
移行前のセルフチェック 12 項目
社内の確認用にそのまま使えるリストです。
- Claude Console の Usage ページから CSV を書き出し、API キー別・モデル別に Haiku 4.5 の利用箇所を一覧にした
- Bedrock・Google Cloud・Foundry 経由の利用を、それぞれの管理画面で別に確認した
- SaaS やノーコードツールに組み込んだ Claude のモデル設定を確認した
- 代表的な要求のトークン数を
claude-haiku-5-5で数え直した - 1要求のプロンプトが 100,000 トークンを超える処理を洗い出した
-
budget_tokens・temperature・top_p・top_kを使っている箇所を検索した -
messagesの末尾がアシスタント発話で終わる要求(プリフィル)を検索した - 応答の先頭ブロックを答えとして扱うコードを
type判定に直した -
stop_reason: "refusal"とstop_details.categoryの処理を追加した -
max_tokensを思考分だけ増やすか、effort を下げるかを決めた - Claude Code の
haiku指定箇所と、社員の端末のバージョン配布を確認した - Priority Tier を Haiku 4.5 で契約している場合、容量計画を別に立てた
※ 出典: Anthropic「Model deprecations」Auditing model usage(取得 2026-10)/Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」(取得 2026-10)
失敗パターン集 — 移行で起きやすい5つ
- 「単価が一桁下がる」で予算を組む。トークン数の増加、思考トークン、履歴に残る思考ブロックで、請求額は単価比率ほど下がりません。測り直してから報告します。
- キャッシュが効いているから安いと思い込む。段階料金の判定にはキャッシュ読み取り分も含まれます。長い履歴を抱えたチャットは、途中から高い単価に切り替わります。
max_tokensをそのままにして本文が出ない。思考ブロックで上限を使い切り、stop_reason: "max_tokens"で空の応答になります。- 分類の JSON をプリフィルで強制していて 400 エラー。構造化出力かツールの enum に移し、Bedrock ではコード側の検証を加えます。
- 拒否を想定していない。Haiku 4.5 には無かった
refusalが返り、再送しても通りません。人の確認に回す分岐を先に作ります。
※ 出典: Anthropic「What's new in Claude Haiku 5.5」(取得 2026-10)/Anthropic「Pricing」Long context pricing(取得 2026-10)
公式ドキュメント集 — 移行中に開くページ
| 用途 | ページ |
|---|---|
| 仕様・料金・提供経路の一覧 | Claude Haiku 5.5 モデルページ |
| 変更点の一覧表 | What's new in Claude Haiku 5.5 |
| コードの直し方 | Claude Haiku 5.5 migration guide |
| プロンプトの調整 | Prompting Claude Haiku 5.5 |
| effort の使い分け | Effort |
| 料金表・段階制・Batch | Pricing |
| 提供終了の方針と一覧 | Model deprecations |
| Claude Code のエイリアス対応 | Model configuration |
| 発表と性能の主張 | Claude Haiku 5.5 発表ページ |
よくある質問
Q. Haiku 4.5 はいつまで使えますか?
2026年10月時点で Haiku 4.5 は Legacy で、提供終了は「2026年10月15日より前にはならない」という下限だけが示されています。非推奨の告知はまだ出ていません。告知が出る場合、公開済みモデルは 60 日以上前に通知されます。Bedrock と Google Cloud は別日程です。
※ 出典: Anthropic「Model deprecations」(取得 2026-10)
Q. モデル名を書き換えるだけで動きますか?
動かない設定があります。budget_tokens による思考予算、temperature・top_p・top_k、アシスタント側のプリフィル、旧コンピュータ操作ツール computer_20250124 は 400 エラーになります。本文のチェックリストの順に直してください。
Q. 費用はどれくらい下がりますか?
単価は入力 $1 → $0.10、出力 $5 → $0.50(100万トークンあたり、プロンプト 100,000 トークンまで)です。ただし同じ文章で約30%多いトークンになり、思考トークンも課金されるため、請求額は自社の要求で測り直す必要があります。100,000 トークンを超える要求は入力 $0.50/出力 $2.50 です。
※ 出典: Anthropic「Pricing」(取得 2026-10)/Anthropic「Claude Haiku 5.5 migration guide」(取得 2026-10)
Q. Sonnet 5.5 ではなく Haiku 5.5 を選ぶ基準は何ですか?
Anthropic は Haiku 5.5 の用途を分類・抽出・ルーティング・要約・サブエージェント・顧客対応に置き、複雑なエージェント型コーディングは Sonnet 5.5 や Opus 5.5 が向くとしています。effort を xhigh 以上に上げないと品質が出ない処理は、Sonnet 5.5 と費用・速度を比べるよう公式ガイドも求めています。
Q. Claude Code を使っている部署にも影響がありますか?
あります。Anthropic API 経由では、Claude Code v2.1.293 以降で haiku エイリアスが Haiku 5.5 を指します。Bedrock・Google Cloud・Foundry 経由では 2026年10月時点で Haiku 4.5 のままです。サブエージェントに haiku を指定している設定は、端末の更新状況で挙動が変わります。
※ 出典: Claude Code「Model configuration」(取得 2026-10)
次の一歩
まず Usage の CSV と Bedrock などの管理画面で Haiku 4.5 の利用箇所を一覧にし、代表的な要求のトークン数を Haiku 5.5 で数え直してください。数が出れば、移行の順番と予算の見直し幅が決まります。
社内に API を触れる担当がいない、分類や仕分けの処理を外部に組んでもらっている、Bedrock 経由で経路ごとの判断が難しい、という場合は、お問い合わせから現状(モデル・経路・月間の要求数・困っている点)を送ってください。利用箇所の棚卸し表とコードの修正項目を、書面で返します。Claude の法人導入全体の整理は Claude 導入支援とサービス一覧にまとめています。
更新履歴
- 2026-10-10: 初版公開