「MEO 対策を頼みたいが、どの会社に頼めばよいか分からない」「契約書に何を書かせればよいか分からない」。地域の店舗やクリニックから、この相談は絶えません。
実は、判断の物差しは Google 自身が公開しています。Google ビジネス プロフィールを他社の代わりに管理する会社(サードパーティ)には、Google が守らせているポリシーがあります。そこには、解約時の権限返還の期限、費用の書面通知、順位保証の禁止まで書かれています。
この記事では、そのポリシーと関連ヘルプを一次出典として、契約前に確認する10項目、契約書に入れる条項の雛形、月次レポートの必須項目、自社で権限を点検する手順を整理します。読み終えたときに、見積書と契約書を自分で採点できる状態を目指します。
結論 — 先に要点だけ
- オーナー権限は自社に残す。代行会社は「管理者」として招待する。これは Google のサードパーティ ポリシーが前提にしている形です。
- 解約から7営業日以内に権限を取り戻せることが代行会社の義務です。契約書の解約条項は、この期限に合わせて書きます。
- ビジネス プロフィール自体は無料です。代行会社は、そのことと管理費用を契約前に書面で伝える義務があります。
- 「上位表示を保証」は Google が禁じる主張です。Google は順位を上げるための金銭を受け取っていません。
- レポートはビジネス プロフィール単独で。他媒体のデータと混ぜない、他社のデータと比較しない、が Google の要件です。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」(取得 2026-11)
「サードパーティ ポリシー」は何を縛るルールか
Google は、ビジネス プロフィールを本人以外が管理する場合のルールを「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」として公開しています。対象は、自社が所有していないビジネスの情報を管理する権限を与えられた代理人です。デジタル マーケティング代理店、SEO/SEM 会社、オンライン予約などの事業者が例に挙がっています。日本で「MEO 対策会社」と呼ばれる会社は、ほぼ全てこの定義に当てはまります。
縛られるのは代行会社ですが、守られるのは店舗側です。ポリシーの冒頭には、サードパーティを通じて管理するビジネス オーナーの利便性に配慮して定めた、と書かれています。違反が疑われると Google は審査や是正を求め、度重なる重大な違反では管理権限を失わせ、最終顧客に通知することもあります。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」(取得 2026-11)
ポリシーの要件を、店舗側の視点で言い換えると次の表になります。
| ポリシーの項目 | 代行会社の義務 | 店舗側にとっての意味 |
|---|---|---|
| すべての変更を通知する | プロフィールへの変更を顧客に知らせる。同意なしに機能を変更・無効化しない | 「何を変えたか」の報告を求める権利がある |
| オーナー権限 | 権限の選択肢を事前に説明し、共同オーナーか管理者かは顧客が決める。顧客は常にオーナーまたは共同オーナーの権限を保持する | オーナー権限を手放す必要はない |
| 契約の終了 | 解約手続きを簡単にし、解約通知から7営業日以内に排他的な管理権限を取り戻せるようにする | 解約後に「抜けてくれない」状態は違反 |
| 管理費用 | ビジネス プロフィール自体は追加料金なしのツールであることを伝える。新規顧客には契約前に書面で通知し、請求書に管理費用を明記する | 費用の内訳を書面で求められる |
| 開示通知 | 中小企業向けに提供する場合、Google のヘルプ記事「サードパーティと連携してビジネス プロフィールを管理するためのヒント」を案内し、契約の締結・更新時にも知らせる | 案内が無い会社はポリシーを読んでいない可能性 |
| 分析情報 | ビジネス プロフィールのデータを他媒体と区別して提供する。他の顧客のデータを比較に使わない | 「同業他社との比較」を売りにする報告は要注意 |
| 同意なしに申請しない | 書面またはチェックボックスなどの積極的な操作による明示的な同意が必要。口頭では不十分 | 「とりあえず登録しておきました」は違反 |
| 虚偽・誤解を与える主張 | 上位表示の保証、必ず表示されるという主張、無料の Google サービスを有料と偽ること、Google になりすますことの禁止 | 保証をうたう提案は違反の兆候 |
| 契約終了後 | 自分のアカウントからプロフィールを削除する | 退任した会社が残っていれば削除を求める |
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」(取得 2026-11)
ポリシーは「アカウント設定」の節で、代行会社の実務まで指定しています。プロフィール作成後はビジネス オーナーをオーナーに、代行会社自身を管理者に設定すること。顧客がすでにプロフィールを持つ場合は、オーナーではなく管理者として招待してもらうこと。顧客とパスワードを共有しないこと。この3点は、契約書の条項にそのまま落とせます。
権限の仕組み — オーナーと管理者で何が違うか
契約で最も重要なのは、誰がオーナーかです。Google のヘルプでは、オーナーはプロフィールを完全に管理でき、ユーザーの追加と削除、プロフィールの削除ができます。管理者は、ほぼ同じ操作ができますが、ユーザーの追加と削除、プロフィールの削除はできません。メインのオーナーとして設定できるのは1人だけです。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する」(取得 2026-11)
| 役割 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| メインのオーナー(1人) | すべての操作。メインのオーナー権限の譲渡 | 他者に譲渡するまで自分を削除できない |
| オーナー | 情報編集・投稿・返信、ユーザーの追加と削除、プロフィールの削除 | — |
| 管理者(旧称: サイト管理者) | 情報編集・投稿・返信など、ほぼ同じ | ユーザーの追加と削除、プロフィールの削除 |
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する」(取得 2026-11)
同じヘルプには、新しく追加されたオーナーや管理者は、約7日間はプロフィールの削除、他のオーナーや管理者の削除、メインのオーナー権限の譲渡ができない、という安全装置も書かれています。代行会社を追加した直後に権限が乗っ取られることを防ぐ仕組みです。
逆の状況、つまり以前の代行会社が自社のプロフィールのオーナーになったまま連絡が取れない場合には、Google に対してオーナー権限をリクエストできます。現在のオーナーにはメールで通知が届き、3日以内に返信する必要があります。返信が無い場合は、自分で申請できることがありますが、ヘルプは「プロフィールの申請は、常にできるわけではありません」とも書いています。確実なのは、最初から自社がオーナーを持つことです。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのオーナー権限をリクエストする」(取得 2026-11)
Google の「ビジネス プロフィールを保護する」でも、サードパーティを追加しても自社のアクセス権は維持すること、退職した従業員のアクセス権は削除すること、オーナーと管理に必要な管理者だけにアクセスを許可することが推奨されています。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google ビジネス プロフィールを保護する」(取得 2026-11)
「上位表示を保証」はなぜ成り立たないか
Google はローカル検索の順位について、関連性・距離・知名度の3要素で決まると説明し、「Google では、ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません」と明記しています。推奨されている行動は、オーナー確認を済ませる、ビジネス情報を完全かつ正確に保つ、クチコミに返信する、写真や動画を追加する、といった地道なものです。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」(取得 2026-11)
店舗向けのヒント記事はさらに直接的です。「サードパーティは、特別な手段を使って Google 検索や Google マップでのビジネスのランキングを約束したり操作したりすることはできません」と書き、順位保証を詐欺の兆候の一つに挙げています。同じ記事は、契約前に「サービスとその費用が明確に記載された契約書の正式なコピー」を入手すること、「月に1度はお客様のビジネス プロフィールの成果を確認し、サポートを依頼しているサードパーティの実績を評価」することも勧めています。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「サードパーティと連携してビジネス プロフィールを管理するためのヒント」(取得 2026-11)
順位の「保証」ができないのは、代行会社の能力の問題ではなく、Google の仕組み上そうなっているからです。したがって、契約書に書くべきは順位の保証ではなく、「何を・いつまでに・どの頻度で行うか」という作業の約束と、「何を報告するか」という報告の約束です。
契約前に確認する10項目
次の10項目を、提案書・契約書・口頭説明のそれぞれで確認してください。「根拠」欄は、その項目を要求できる理由です。
| # | 確認項目 | 安全な答え | 危険な答え | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 誰がオーナーになるか | 自社がメインのオーナー、代行会社は管理者 | 「弊社アカウントで管理します」 | サードパーティ ポリシー(アカウント設定) |
| 2 | 解約後、何日で権限が戻るか | 解約通知から7営業日以内 | 「契約期間満了後に協議」 | サードパーティ ポリシー(契約の終了) |
| 3 | ビジネス プロフィールは無料だと説明されたか | 書面で「プロフィール自体は無料、費用は運用代行分」と明記 | 「Google への掲載料込み」 | サードパーティ ポリシー(管理費用) |
| 4 | 変更の通知方法 | 変更ごとに記録、月次で一覧を提出 | 「お任せください」 | サードパーティ ポリシー(透明性) |
| 5 | 順位の保証をうたうか | うたわない。作業と報告を約束する | 「短期間で上位表示を保証」 | ランキングのヒント・サードパーティ ポリシー |
| 6 | 口コミの集め方 | 依頼文・QR コード・返信の運用設計 | 対価付き依頼、星の指定、「弊社で投稿」 | マップ投稿ポリシー・ステマ規制 |
| 7 | ビジネス名の扱い | 看板・名刺と同じ正式名称のみ | 「地域名やキーワードを名前に入れます」 | ビジネス情報のガイドライン |
| 8 | レポートの中身 | ビジネス プロフィール単独の指標+変更一覧 | 他媒体と合算、他社比較のみ | サードパーティ ポリシー(分析情報) |
| 9 | パスワードの扱い | 共有しない。招待で権限を付与 | 「ログイン情報を教えてください」 | サードパーティ ポリシー(アカウント設定) |
| 10 | 停止・制限が起きたときの責任 | 原因の説明と再審査請求の支援を契約に明記 | 口頭のみ | 停止されたプロフィールの修正ヘルプ |
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」(取得 2026-11)
7番目のビジネス名について補足します。Google のガイドラインは、ビジネス名には看板や名刺で使う実際の名称を使い、マーケティングのキャッチフレーズ、営業時間、電話番号や URL、地域や店舗の説明を含めてはならないとしています。「ビジネス名に不要な情報を含めることはできません。含めると、ビジネス プロフィールが停止される場合があります」という一文がある通り、名前にキーワードを足す手法は、短期的に順位が動いても停止の原因になります。カテゴリについても「キーワードそのもの、または事業の属性を示すカテゴリは使用しないでください」と明記されています。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」(取得 2026-11)
6番目の口コミについては、Google マップの投稿ポリシーが、金銭や現物を対価としたクチコミ、インセンティブと引き換えの投稿、否定的なクチコミを妨げて肯定的なクチコミだけを募る行為(レビューゲーティング)、従業員に一定数のクチコミ収集を求めることを禁じています。令和5年10月1日以降は、消費者庁のステマ規制(景品表示法)の対象にもなり、規制されるのは投稿者ではなく「商品・サービスを供給する事業者(広告主)」、つまり店舗側です。詳しくは口コミの依頼はどこまで許されるかにまとめています。
※ 出典: Google マップ ユーザー投稿コンテンツ「禁止または制限されているコンテンツ」(取得 2026-11) ※ 出典: 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」(取得 2026-11)
契約書に入れる条項の雛形
次の条項は、上の10項目を契約書の言葉に落としたものです。そのまま貼って、社名と期間を埋めてください。法的な有効性は契約全体の構成によるため、最終的な文言は顧問弁護士や契約書の専門家に確認することをおすすめします。
第○条(ビジネス プロフィールの権限)
1. 甲(店舗)は、Google ビジネス プロフィールのメインのオーナー権限を甲の Google アカウントに保持する。
2. 乙(代行会社)は、甲の招待により「管理者」の権限で業務を行う。乙はオーナー権限の付与を甲に求めない。
3. 甲および乙は、Google アカウントのパスワードを相互に共有しない。
第○条(変更の記録と通知)
1. 乙は、プロフィールに加えた変更(ビジネス情報・カテゴリ・写真・投稿・返信を含む)を、変更日・変更箇所・変更前後の内容とともに記録し、翌月○日までに甲へ提出する。
2. 乙は、甲の事前の同意なく、プロフィールの機能を変更または無効化しない。
第○条(費用)
1. Google ビジネス プロフィールの作成・掲載に Google への料金は発生しない。本契約の費用は、乙が提供する運用代行の対価である。
2. 乙は、請求書に運用代行の費用を項目として明記する。
第○条(禁止事項)
乙は、次の行為を行わない。
(1) Google 検索または Google マップにおける掲載順位の保証、またはそれに類する表現
(2) ビジネス名への地域名・キーワード・キャッチフレーズの追加など、Google のガイドラインに反する情報の登録
(3) 対価を伴うクチコミの依頼、クチコミの内容や評価の指定、否定的なクチコミの投稿を妨げる運用、乙またはその関係者によるクチコミの投稿
(4) 甲の明示的な書面の同意なく、甲のプロフィールを新たに申請、または甲以外のプロフィールと紐づける行為
第○条(レポート)
乙は毎月、Google ビジネス プロフィールのパフォーマンス指標(閲覧数・検索語句・通話数・ルート・ウェブサイトのクリック)を、他の媒体のデータと区別した形で甲に提出する。
第○条(停止・制限への対応)
プロフィールの停止または制限が生じた場合、乙は原因と思われる事項を書面で説明し、甲が行う再審査請求に必要な情報を提供する。
第○条(契約の終了)
1. いずれの当事者も、○日前の書面による通知で本契約を解約できる。
2. 乙は、解約通知を受領した日から7営業日以内に、甲のプロフィールから乙のアカウントを削除し、甲が排他的に管理できる状態に戻す。
3. 乙は、契約終了後、甲のプロフィールに関する認証情報を保持しない。
7営業日という期限と、オーナーは店舗側、代行会社は管理者という役割分担は、Google のサードパーティ ポリシーに書かれている内容をそのまま契約に写したものです。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」(取得 2026-11)
月次レポートの必須項目 — パフォーマンス画面の指標を基準にする
レポートの中身は、Google ビジネス プロフィールのパフォーマンス画面で見られる指標を基準にすると、代行会社による「盛り」を防げます。ヘルプに記載されている指標は次の通りです。
| 指標 | 定義(ヘルプの要約) | レポートでの扱い |
|---|---|---|
| インタラクション数 | すべてのインタラクションの概要 | 総括として先頭に |
| 検索 | ビジネスの検索に使われた検索語句。毎月月初に更新 | 上位の語句と増減を一覧に |
| 閲覧数 | Google 検索と Google マップでプロフィールを閲覧したユーザーの数。1日1回のみカウント | 前月比で |
| ルート | ビジネスへのルートを検索したユーザーの数 | 来店意図の指標として |
| 通話数 | 通話ボタンがクリックされた回数 | 電話番号の登録が前提 |
| ウェブサイトのクリック | プロフィールに表示されたウェブサイトへのリンクのクリック数 | サイト側の計測と突き合わせ |
| メッセージ | メッセージで交わされた会話の数 | 機能を使う場合のみ |
| 予約 | ユーザーが完了した予約の数 | 予約プロバイダ連携時のみ |
| 商品・メニュー・特典 | 店舗の商品、メニュー、特典が閲覧・クリックされた回数 | 該当する業種のみ |
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」(取得 2026-11)
ヘルプによれば、パフォーマンス データはオーナー確認済みのプロフィールでのみ利用でき、検索語句の指標は毎月月初に更新され、表示まで約5日かかることがあります。したがって、月次レポートの締め日を月初に置くと検索語句が揃いません。レポートの提出日は、翌月の中旬以降に設定するのが現実的です。
同じ理由で、自社がオーナーなら、代行会社のレポートと同じ数字を自分の管理画面で確認できます。レポートと管理画面の数字が合わないときは、集計期間のずれか、他媒体のデータが混ざっているかのどちらかです。サードパーティ ポリシーは、複数プラットフォームを横断したデータを出す場合でも、ビジネス プロフィール単独のレポートを別途提供するよう求めています。
レポートには、指標のほかに「その月に行った変更の一覧」を必ず入れてもらいます。順位の変動は Google 側の要因でも起きるため、代行会社の仕事の量と質は、変更の記録でしか測れません。月次計測の考え方も合わせてお読みください。
自社で権限を点検する手順 — 契約前と契約後の5ステップ
代行会社に頼む前に、現状の権限を自分で確認しておきます。所要時間は数分です。
- オーナー確認の状態を見る。Google 検索で自社名を検索し、ナレッジパネルに「ビジネス オーナーですか?」と表示されていれば未申請です。未申請のまま放置すると、不正アクセスのリスクが高まります。
- オーナーと管理者の一覧を開く。プロフィールの管理画面からオーナーと管理者の一覧を開き、誰がメインのオーナーか、見覚えのないアカウントが無いかを確認します。
- 不要なアクセス権を削除する。退職した従業員、過去の代行会社、用途が分からないアカウントは削除します。削除された相手にはメールが届きますが、過去の投稿や返信はプロフィールに残ります。
- 2段階認証を有効にする。オーナーの Google アカウントには2段階認証プロセスを設定します。Google がワンタイム パスワードや PIN を尋ねることは決してありません。
- 代行会社を「管理者」として招待する。契約後、メールアドレスで管理者として招待し、受諾の通知メールを保管します。追加後約7日間は、相手がプロフィールの削除や権限譲渡をできない安全期間です。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google ビジネス プロフィールを保護する」(取得 2026-11) ※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する」(取得 2026-11)
契約後は、月に1度、レポートと管理画面の数字を突き合わせ、ユーザー一覧を見直す習慣にします。Google のヒント記事が勧めている頻度と同じです。
停止・制限が起きたときに誰が何をするか
ガイドライン違反の手法は、停止や制限という形で店舗側に返ってきます。Google のヘルプには「ガイドラインに従っていないビジネス プロフィールは、停止または無効化される場合があります」とあり、回復には再審査請求が必要です。再審査請求は1つのプロフィールにつき1回しか提出できず、同じビジネスの新しいプロフィールを作ってはいけません。提出時には、正式な事業登録証、営業許可証、納税証明書、事業用の公共料金の請求書など、プロフィールの名称と住所に一致する書類を任意で添付できます。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「停止または無効化されたプロフィールを修正する」(取得 2026-11)
クチコミに関する違反には、別の制限があります。虚偽のエンゲージメントのポリシー違反が確認されると、一定期間、新しいクチコミや評価を受け取れなくなる、既存のクチコミや評価が非公開になる、虚偽のクチコミが削除されたことを示す警告がプロフィールに表示される、といった措置が取られます。Google は制限を適用する前にビジネス オーナーへメールで通知します。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ポリシー違反によるビジネス プロフィールの制限」(取得 2026-11)
契約書の「停止・制限への対応」条項は、この手続きを前提に書きます。再審査請求の提出者はオーナー、つまり店舗側です。代行会社に求めるのは、原因の説明と、再審査請求に必要な情報の提供です。1回しか提出できない請求を、原因が分からないまま出すのが最も避けたい失敗です。
よくある失敗 5パターン
- 代行会社のアカウントでプロフィールを作ってもらった。解約後にオーナー権限が戻らず、オーナー権限のリクエストから3日待つことになります。最初から自社アカウントで作るか、自社をオーナーにしてもらいます。
- 「掲載料込み」の見積もりを受け入れた。ビジネス プロフィールの作成と掲載に Google への料金はかかりません。Google の公式ページにも「ビジネス プロフィールを作成し、Google にビジネス情報を掲載するのに料金はかかりません」とあります。費用は運用代行分として内訳を求めます。
- ビジネス名に地域名を足す提案を受け入れた。短期的に順位が動いても、ガイドライン違反として停止の原因になります。停止を受けるのは店舗側です。
- レポートが順位の推移だけだった。順位はユーザーの位置で変わるため、単独では成果を表しません。閲覧数・通話数・ルート・ウェブサイトのクリックと、変更の一覧を求めます。
- 解約条項に権限返還の期限を書かなかった。Google のポリシーは7営業日以内と定めています。契約書に期限が無ければ、ポリシーを根拠に求めるか、Google に報告します。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール Japan「Google に掲載する」(取得 2026-11) ※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」(取得 2026-11)
公的リソース集 — 契約書の横に置く5ページ
| 資料 | 用途 |
|---|---|
| ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー | 代行会社の義務と禁止事項の原文 |
| サードパーティと連携してビジネス プロフィールを管理するためのヒント | Google が店舗向けに示す詐欺の兆候 |
| サードパーティ ポリシー違反の報告 | 違反が疑われる代行会社を Google に報告するフォーム |
| ビジネスの適格性とオーナー権限に関するガイドライン | 代理人は同意なしに登録しない、求められたらオーナー権限を速やかに譲渡する、の根拠 |
| 消費者庁 ステルスマーケティング規制 | 口コミ運用で店舗側が負う責任 |
適格性のガイドラインには、承認を受けた代理人に求められることとして、オーナーの明示的な同意なしに登録しないこと、行った操作をオーナーに通知すること、管理権限の依頼には迅速に応じ、求められたらオーナー権限を速やかに譲渡することが列挙されています。違反はプロフィールやアカウントの停止につながります。
※ 出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネスの適格性とオーナー権限に関するガイドライン」(取得 2026-11)
よくある質問
Q. MEO 対策会社に「オーナー権限」を渡すよう求められました。渡してよいですか?
渡さないのが原則です。Google のサードパーティ ポリシーは、顧客が常にオーナーまたは共同オーナーの権限を保持する前提で書かれており、代行会社はプロフィール作成後にビジネス オーナーをオーナーに、自分を管理者に設定するよう求められています。管理者の権限でも、情報の編集・投稿・クチコミへの返信はすべて行えます。
Q. 解約したいのに、代行会社がプロフィールから抜けてくれません。どうすればよいですか?
自社がオーナーなら、オーナーと管理者の管理画面から代行会社のアカウントを削除できます。自社がオーナーでない場合は、オーナー権限のリクエストを送ると、現在のオーナーは3日以内に返信する必要があります。いずれの場合も、解約通知から7営業日以内に権限を戻さない代行会社はポリシー違反ですから、Google の「サードパーティ ポリシー違反の報告」フォームから報告できます。
Q. 「Google マップで上位表示を保証します」という提案は信用できますか?
Google は「ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません」と明記しています。サードパーティ ポリシーも、上位表示の保証や必ず表示されるという主張を禁じています。保証をうたう提案は、それ自体がポリシー違反の兆候として扱い、代わりに「何を・いつ・どの頻度で行うか」の作業の約束を契約に書いてもらってください。
Q. 月次レポートには何が入っていれば十分ですか?
パフォーマンス画面の指標(閲覧数・検索語句・通話数・ルート・ウェブサイトのクリック)と、その月に行った変更の一覧です。Google のポリシーは、ビジネス プロフィールのデータを他媒体と区別し、他の顧客のデータを比較に使わないよう代行会社に求めています。自社がオーナーなら、同じ数字を管理画面で確認できるので、月に1度は突き合わせてください。
Q. 口コミを増やすサービスは契約に含めてよいですか?
含めるなら、範囲を条項で限定してください。対価を渡す依頼、星や内容の指定、否定的な口コミだけを止める運用、代行会社やその関係者による投稿は Google のポリシー違反です。令和5年10月1日以降は景品表示法のステマ規制の対象にもなり、規制されるのは投稿者ではなく店舗側です。許されるのは、依頼文や QR コードで実際の顧客に投稿を頼み、内容を指定しない運用です。
次の一歩
契約書の案が手元にあるなら、この記事の10項目の表と条項の雛形を横に置いて、1項目ずつ照らし合わせてください。不足している条項は、相手の会社に追加を求めて構いません。Google のポリシーに書かれていることですから、誠実な会社なら応じます。
まだ業者を探す前の段階なら、先に自社で権限の点検(5ステップ)を済ませ、オーナー確認とユーザー一覧の整理を終えてから提案を受けると、話が早く進みます。
MEO の運用設計そのものを相談したい場合や、現在の契約書を Google のポリシーに照らして見直したい場合は、お問い合わせからご連絡ください。現状の契約書や管理画面の状態を伺ったうえで、何を直すべきかを書面で整理してお返しします。MEO の全体像はMEO 対策の基本とGoogle ビジネス プロフィール運用の完全ガイドにまとめています。
更新履歴
- 2026-11-06: 初版公開